大工の見習い No.24
2023.02.15
トヨちゃんの回想録
一週間ぐらいでなんとか皮はむけた。
明日から墨付け、中置の向きを決める。
根元の方が外側で、内側の方が木のえぼを入木に使用しても出木には使用しない。
梁間は一間飛びに入れる。
南側に根元を持ってきて、梁の背には何寸上とか、下側には何寸下りとか、桁天の水とか水平の基準をだし、上がり下りを求めて行き束木の長さも決まってくる。
墨付けが完了して親方に見てもらった。
「うーん、そうじゃなーこのは通りの梁と、り通りの梁は入れ替えた方がよい。はの梁の下には柱がおらんが、りの梁の下には柱がおる。梁の太い方が柱の上が、荷を受けても安心じゃ。
その位で、きざんでいってもよかろう。」
やれやれ、生まれて初めて小屋組をさせてもらえた。
つづく
有本建設 創設者である有本豊敏が丁稚時代を語る。