大工の見習い No.6
2022.05.10
トヨちゃんの回想録
小さい建物でも私にとっては、それは…もう…大きな建物に思えた。
しかも3階建て。ずいぶん高い。
さて、これから先は、一人だけで作業をする。
下げ振りを吊って、建物を垂直にして、筋違いを入れ、
一階の屋根に角木を入れ、タル木を打ち、板をかつぎ上げ…
日の出時から日没まで、休憩も無く考えながら…近くにある建物を見ながら…
数十日はかかった。
3階のガラリを取り付けるのは簡単に見えて難しい、
板の勾配のこともあり、ハシゴを登ったり降りたり一生懸命だった。
やっと、
私の手をはなれ、屋根瓦を葺いたり、壁を塗るため
小舞竹をあみ、次の職人と交代することになった。
さ~今度は もう一軒の乾燥場の準備に取りかかろう・・・
つづく
有本建設 創設者である有本豊敏が丁稚時代を語る。