大工の見習い  No.8

大工の見習い No.8

2022.06.07
トヨちゃんの回想録

2軒目となる乾燥場、数十日間でやっと建てられるまで進行。

今日は土台据付の作業…

その当時は基礎は石を敷いたものカラス口を使って、石によく固定させ、太いもうそう竹4mぐらいに切って半分に割り、中の節を取りのぞき、その中に水を入れ水平を出して柱の長さを決めて、建前までの準備OK。

そこにお施主様が来て

「オイ出来たか?今度は間違えないように、点検しておけよ。」

翌日、いよいよ棟上げ。

町内の人13名がおはよ~おはよ~と集まって来た。

その中の一人が「トヨちゃん今日は一升持ってきたで~」

お施主さまが「皆さん今日はお世話になります。」と挨拶。

続いて私も、よろしくお願いします。

仕事はじめにお神酒を少しずつ頂いて、建て方に取り掛かる

ご婦人の人は白いエプロンをして、昼食のご馳走作りである。

町内のご夫婦総出で手伝いです。

無事上棟も完成し私は「皆様、ありがとうございました。」

口下手ながらお礼を言った。

その時、「トヨちゃんそら一升やるぞ!」と一升瓶を渡してくれ、皆から拍手。

(私はパーフェクト)…それがとても嬉しかった。

                      つづく

トヨちゃんの回想録『大工の見習い』

有本建設 創設者である有本豊敏が丁稚時代を語る。