#15 住宅展示場あるある
家を建てようと思ったら多くの方が住宅展示場に足を運ばれると思います。
いくつかのハウスメーカーが集まっている為比較検討するには各々の特徴がわかって良いと思います。
今回お話したいのは、住宅展示場で待機している営業マンは、時間がある人だから売れっ子営業マンには会えませんよ。
みたいなハウスメーカー紹介YouTuberのような『住宅展示場あるある』ではありません。
我々のような地方の工務店に来て下さる方の中には、一度は住宅展示場で家づくりとはどんなものかと探ってから来られるケースは少なくありません。
そのような方がよく口にされるのが、
『どのメーカーでプランをお願いしても同じようなプランしか出てこないんです』
というご相談です。
確かに各々のメーカーさんで特徴やセールスポイントはありますが、プランはさほど変わらないということはよくあります。
でもこれには理由があって、同じようなプランが出てきて当たり前なんです。
どのメーカーに行っても、はじめてプランをつくってもらうときには『ヒアリング』ということを行います。
これは家族構成や趣味、年齢、部屋数、リビングは何帖必要か、和室は要るのか、トイレは2つ必要か、個室は何帖くらいで収納はどの程度必要か…
などなど大体伺う内容は決まっています。
どのメーカーさんにも似たようなヒアリングをされて、同じように回答していくと自ずと似たようなプランが出てくるのは不思議ではありません。
とにかく契約が欲しいのは、どのメーカーさんも同じなので、可能な限りお客様の要望を盛り込んだプランを提案してくれます。これはありがたいことなのですが、この同じようなプランを提案されることに面白みを感じない方もいます。
これが今回お話したい『住宅展示場あるある』なのですが、どのメーカーさんにプランを依頼をしても似たようなプランが提案されるのは、同じような質問に同じように回答しているからなのではと私は思っています。
これで満足できる方は構わないのですが、ときにそのような同じようなプランしか出てこない状況でどこで建てるべきか決めかねてしまうケースはよくあるようです。
有本建設でも同じように、『ヒアリング』を行います。
基本的にはお客様のご要望をメモしながらアイデアを膨らませていくのですが、『住宅展示場あるある』を経由してきているお客様に対しては、言葉は悪いですが、ご要望を聞き過ぎないように注意しています。
これは一か八かの賭けのようなところがあるのですが、お客様の最も大事にしたいことを最優先して、全く違った切り口からご提案することもあります。
決してお客様のご要望を無視して、建築家のつくりたいものを提案しますといった乱暴なやり方はしません。
暮らしのイメージをしっかり持たれている方には、それを素直に具現化して整理していくことを心掛けていますし、迷子のようになっている方には、このような考え方もできますがどうですか?という形でご要望を超えた提案をすることもしばしばです。
まったくイメージと合わずダダ滑りすることもあります(笑)
そのときはお通夜のような雰囲気になってしまうこともありますが(汗)、当たった場合はホームランになることもあります。
設計士はお客様の単なる御用聞きではない
建築にはそこに住まい人がいてその住まい方は百人いれば百通りあります。
また土地自体もひとつとして同じものはありません。
有本建設では『住まう人』と『土地』という唯一無二の特徴を最大限活かして、唯一無二の建築をつくりたいと思っております。
身勝手な提案をしてしまうこともありますが、一生懸命考えてひとつひとつ設計をしています。気に入らないプランが出て来てもそこはご愛嬌ということでご勘弁ください。
ではまた