#21 地方の工務店の抱えるジレンマ

#21 地方の工務店の抱えるジレンマ

2024.10.16
有本の取り組み

SNSの普及によって企業の活動の発信の可能性は広がりました。
全国だけでなく世界中に有本建設の活動を知ってもらえるツールは既に出来上がっています。



有本建設は岡山県備前市という地方のまちを拠点に活動しています。
建築事業が主な事業ではありますが、やはり『まちの工務店』としての役割も担っています。

大雨や台風などの後は、屋根の雨漏り修繕や、瓦の葺き替え、水回りの修繕などまちの方々からのSOSがありがたいことに日々寄せられています。

こういった『まちの工務店』ならではの素早い対応や、困りごとの受け口となれることは地方の工務店ならではの役割でそこに我々が必要とされているのであれば、有本建設の存在意義と言えます。



一方で、工務店というのは売っているのは『建築』でありそれにまつわる修繕や改修工事などであり、実際に我々が足を運んで対応できる範囲に限られます。

有本建設でいえば、岡山県内や兵庫県の主に西側が対応できるエリアとしては限界です。それ以上の範囲を超えてしまうと費用対効果としては難しい面が出てくるのが実情です。

インターネットのツールの発展や、今後AIなどのDXが普及していく中で、より多くの方に有本建設のことを知ってもらえることがあったとしても、実際は人が行ける範囲でしか事業ができないということは何か機会損失をしているようにも感じます。

これが設計事務所になると話は別で、より優れたデザインや技術を持った設計事務所は、依頼さえあれば、全国いや世界中どこででも仕事をすることは可能です。それは売っている商品が『図面』だからです。

今の時代であれば、自分の持っている特技を活かして作品をつくってインターネットで売ったり、冷凍保存した食品を全国に届けることも可能です。

でも我々の商品である『建築』は土地があって初めてつくることのできる唯一無二のものです。
SNSでどれだけ発信して、北海道や沖縄の方にそれが届いたとしても、その方と有本建設をつなぐ手段が分からないのがジレンマです。


なにか答えがあるわけでもありませんし、無理やり何か新しい事業をしようというのも何かうまくいかない気がします。

具体的なビジョンが見えているわけではありませんが、何となく思うのは、まずは我々の拠点である備前を中心にできることをしていく。
特に消滅可能性のある都市に指定されている、備前市においてまちを元気づけるような企業でありたいと思っています。
備前市でも、同じように自分たちのまちを元気にしようと頑張っている人たちがたくさんいます。
そんな方々とまちをリメイクしていくことは我々の目標でもありますし、このような努力を全国の同じような地方都市の方々の届けば何か可能性がみえてくるのではないかと思っています。

とりとめのないお話になってしまいましたが、今感じているジレンマを払拭できるような事ができるように、まずは目の前にある課題に向き合っていきたいと思います。

ではまた