#22 中古不動産市場のリアル

#22 中古不動産市場のリアル

2024.10.17
有本の取り組み

昨今の物価高騰の影響を受けて、中古不動産市場は肌感感覚ではありますが動きが活発化しているという印象があります。

有本建設の施工エリアである岡山県でも全体的に不動産価格は上昇傾向にあるものの、新築の注文住宅の価格高騰の方が上回っていることもあり、価格的に中古物件をリフォームして自分たちの暮らしのイメージが実現できる価格が新築より下回るのであれば中古物件も検討したいという方は増えているようである。

我々は不動産事業をメインには扱っていないので、実際にご依頼頂くリフォーム案件から感じることなのですが、中古不動産物件を購入する際にリフォームの内容が決まっていない方が多いように感じます。

まずは物件ありきで、価格帯や立地、築年数などを元にこれは買うべき不動産なのかを見極めた上で、その先のリフォームの内容が決まらないまま購入する事例が多くなっているようです。

通常であれば、中古不動産をリフォームして生活する場合、リフォームの計画もありきで計画を進めることが一般的と思われてきました。そうでないと予算の計画も立てられないし、どんなリフォームが可能なのかが分からないからです。しかし、この一般的な流れを踏まずに物件ありきで進むあたりが時代性を感じます。

これには、予測でしかありませんが、中古物件として価値のある不動産には需要が集中しており、より早く購入しなければなくなってしまうという心理が働いているのかもしれません。

中古物件として価値のある物件というのは、当然価格帯や立地という面は購入者のニーズに合っているかというところもありますが、やはり『その建物が将来的に長く住むことが出来るか?』という点がポイントになっているように感じます。

需要の高い物件は、大手ハウスメーカーが建てた物件は信頼性もあってニーズが高いようです。
中古マンション市場にも同様のことが言えるように感じます。


ここからが本題になりますが、このような時代性にあって、工務店に求められることはなにか?

ひとつはリフォーム提案の柔軟性です。決められた予算の中でどれだけ優れたリフォームが可能なのかを見極めながらの提案が求められます。
例えるならば、料亭に魚を持ち込んだお客様から、これを一番おいしい方法で料理してください。と言われているようなもの。
これに応えられる程のスキルと瞬発力を日ごろから養っておかなければなりません。

もうひとつはひっくり返ったような事ですが、新築で建てる物件について将来的な売却なども見据えて長期的に住まうことができる物件をつくることです。
新築物件において、耐震性能の向上や省エネ化の動きは国の指針と相まって向上しています。不動産をなるべく長持ちする都市のストックとすることが求められています。
物価高騰の上、さらに性能向上も求められる時代にあって新築のハードルは高くなっていると言えますが、住宅は資産と考えるのであればなるべく長く住まうことができる家を提供することが我々の責務だと考えます。

これには大手ハウスメーカーにも負けない技術力を蓄える必要があります。
地方の工務店にはネームバリューではハウスメーカーには劣る部分がありますが、それでも信頼してもらえる家づくりをしていきたいと思っています。

ある大手ハウスメーカーは『家は、性能』と言い切っています。
このキャッチフレーズを聞いたとき潔くて分かりやすいメッセージの発信だなと感じました。

確かに『性能』は長寿命住宅にとって肝となる項目です。
地方の工務店が敢えてこれに対抗するのであれば、

家は、『性能』と『精度』

だと考えています。

『精度』は実は見落とされがちな内容です。
次回はこの『精度』について綴っていこうと思います。

最後にお知らせさせてください。
有本建設のマンションリノベーションの事例をHPにアップしていますので
よかったらご覧ください。


ではまた